習近平政権の<来し方>と<行く末>


   日亜協会 第285回 例会 ご案内


 関東に倣って京阪神にも施行された緊急事態法は、コロナ感染者数の低減によって関西ではまもなく取りやめとなりそうですが、その後また感染者数が上向きになり、欧州の幾つかの国に見られるように「感染第4次段階」に入る可能性がなくなったわけではありません。「武漢肺炎」の広がりには、まだまだ安心はできない状況です。4月の例会は、隣国中国の動向に焦点を合わせます。近現代の中国、特に共産党史研究で学界などにおいても高い評価を得られている講師を招き、習近平政治の特色を、「漢族」の歴史的特性の分析にも触れつつお話しいただきます。薄っぺらな中国理解から卒業するよい機会。会員多数の討論参加を期待します。例会会場には、会場の規定により、マスクを忘れずにお出かけ下さい。


日時:令和3年4月3日(土) 午後2時〜5時 


会場:大阪市立総合学習センター(大阪駅前第2ビル)5階 第6研修室


会費:千円 (非会員二千円),学生200円


二次会:二次会例会後に2階の北大会館において会費千円で開催してきましたが、新型コロナウィルスが第三波段階に入っている状況を踏まえ、今回も遺憾ながら割愛。


演題:習近平政権の<来し方>と<行く末>

   −悠久の歴史を背景に考える


講師:北村稔 国家基本問題研究所理事

       立命館大学名誉教授 


講師プロフィール

 1948年京都府生まれ、京都大学文学部史学科(現代史)卒業、同大学院博士課程中途退学。三重大学助教授を経て、立命館大学教授。1981−82年、ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)研究員。2014年に退職し立命館大学名誉教授。法学博士(京都大学)。専門は中国近現代史。『南京事件の探求』(文藝春秋)、『中国の正体』(PHP研究所)など、著書多数。


 <以下の内容について話し、参加者と討論したい>。

   @ 習近平政権の系譜:

      社会主義の衣を着た封建王朝=中華人民共和国

      社会主義の原則を放棄し生産力至上主義に移行=ケ小平の改革開放政策

      朝貢体制の復活=習近平の一帯一路政策。

      中国の夢と中華思想の復活=大漢族主義とジェノサイド

   A 中国史における漢族の光と影:

      征服され続けた漢族と被征服への恐怖=和平演変

      強制的同化政策を支える心理=中華と夷狄→文化であり人種ではない。 

   B 漢族の思想的特色:

      原理を突き詰めない実用理性=ノーベル物理学賞の皆無、技術はパクれば済む

      主観と客観の曖昧さ=自己中の思想、人の物は自分の物、(朱子学と陽明学)

      法治が実現しない歴史的背景=日本や西洋のように封建時代をへていない

      確立されない権利の観念と義務の観念=なんでもありの逮捕と拘留(律と令)

      国際法の無視=独立主権国家概念の欠如。