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紹 介:


   宮崎正弘『北京五輪後、中国はどうなる?』

    (並木書房、2008.6.15) 1600円+税



  ブログ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で毎日、世界のニュースを取上げて分析している宮崎さんの新刊です。

  副題に「中国崩壊 これだけの理由」とあります。

  帯に曰く、「四川大地震が中国を変革する/中国共産党王朝の倒壊が始った」と。


  宮崎さんの「国際ニュース・早読み」は、いくつもの特徴あり。

  第一に、早い。

  第二に、英語と中国語が自由で、世界中の新聞に目を通している。

  第三に、世界中に足を運んでいる。つまり「現場を知っている」

  第四に、経済に通じた上、政治にも比較文化にも強い。人を見る目がある。

  第五に、的確に要点を衝く。炯眼である、等々。


  本書の内容は、目次を見れば、一目瞭然です。


  プロローグ 中国文明の衰退がはじまっている

  第1章 チベット虐殺で北京五輪は失敗の怖れ

  第2章 水、空気、食料汚染と大災害

  第3章 五輪以後、経済が崩壊するシナリオ

  第4章 軍国主義的市場経済の矛盾

  第5章 中国投資を見限りはじめた欧米

  第6章 捏造と改竄の反日記念館

  第7章 モラル欠落、倫理の無存在

  第8章 馬英九の台湾はどこへ行く?

  第9章 かくも軽き日本の存在!

  エピローグ 中国のご都合主義


  これを眺めて「面白そうだ」と思われた方は、ぜひお読み下さい。


  二、三、つまみ食いをしてみましょう──


  11頁 II大戦後、米国が覇権を打ち立てた理由=世界を魅了するものがあったから。

  思想・宗教・倫理、航空機などの文明の利器とプラグマティズム。音楽、映画、新経済理論…… 中国には、世界を指導する思想も、多くを魅了する文化も新発明もなく、そもそもモラルがない、これでは中国が文明的に米国を凌駕することなどあり得ない。

  拝金主義の蔓延は人間としての魅力を中国人から奪い、周辺地域に軍事的脅威を与えても、芸術や道徳・哲学で魅了することがない。中国はウイグルやチベットを暴力で押しつぶすしかないのだ、云々


  47頁 中国のナショナリズムは、阿片戦争と義和団事件に代弁されるように、病的に一時燃え盛るだけの瞬発的現象でしかなく、何れ政治の道具として利用されて終る。「愛国無罪」の暴徒は、却って中国の崩壊を早めるだけ。


  51頁 毒餃子事件どころでなかった未曾有の大雪被害


  70頁 大地震難民と貧窮する農民を共産党は救えない


  78頁 チベット虐殺をめぐる中国非難の声が全世界に


104頁 アルジャジーラ・ネットは2008年 3月 4日付で米国ペンタゴンが発表した『中国の軍事力』報告中の「宇宙戦力」に注目した、として、こう要約します。

「中国はサイバーウォーに備えて電子ネットワークへ奇襲をかけたり、ウイルスを敵戦力に撒き散らし、相手の命令系統を破壊する能力を準備してきた。ミサイルによる衛星破壊実験に成功した事実からも、中国軍が台湾奇襲に際して米国の命令系統を寸断できる能力を確保した。この事実を米国は重視している」

  中共政権が、自己の意志を邪魔するものは、米国軍事力と雖も排除する、手出しさせぬと決意し、対策を講じていることを、隣国である私達日本人は肝に銘じておく必要があります。


  ところが、「米中は経済面では相互依存体制」なのです (132頁)。


  179頁に、中国の捏造・嘘八百作戦を打破した書物の紹介があります。

  南京「大虐殺」の嘘に対しては──

   東中野修道『南京事件──国民党極秘文書から読み解く』 (草思社)

      〃  『再現 南京戦』 (草思社)

    阿羅 健一 『再検証 南京で本当は何が起こったのか』 (徳間書店)

  慰安婦問題については──

    西岡 力『よくわかる慰安婦問題』(草思社)

    秦 郁彦『慰安婦と戦場の性』(新潮選書)

(平成20.6.19記)