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紹 介:
渋谷 司『戦略を持たない日本』
(経済界、2007.9.6)
友人の渋谷さんが、処女作を送ってくれました。
渋谷さんは、拓殖大学海外事情研究所の准教授。台湾の政治事情に詳しく、台湾の大学で教えた経験もあります。近く、台湾に関する第二作を出されるそうです。
『海外事情』2008.1月号に、「2008年台湾総統選挙」という周到な論文を書いています。
本書は昨年 9月の出版ですが、「誤植が多いので、再版で訂正しようと思っていましたが、売行が芳しくなく、再版は出そうにありません」とのことです。
売れそうにないのかどうか、早速一読しました。
副題に「子供や孫に誇れる国づくりへ」とあります。
表紙に、「日本を操る恐るべき中国の戦略」「巧妙な洗脳法・アメリカの日本『属国』戦略」とあります。
また、開巻劈頭に「戦後の日本に欠けているものは、ずばり国家戦略である」「国家戦略を持たないので、我国はどれだけ損をしているか、計り知れない」と。
これだけで、本書が実に大事なことを説いていることが判ります。
目次の要点は、下記の通り。
序 章 なぜ、日本は戦略を持てないのか?
第1章 アメリカの "日本属国化"戦略(政治・軍事編)
第2章 アメリカの "日本属国化"戦略(経済・金融・教育編)
第3章 戦略を持たない日本
第4章 日本を操る恐るべき中国の対日戦略
第5章 アメリカの対中政策
終 章 子供や孫に誇れる国づくりへ
実にまっとうなことを説いています。だから売れなかったのでしょう。
日本人が「まっとう」でなくなっているからです。
まっとうな日本人は、本書を読む必要があまりない。
まっとうでない日本人は、本書を熟読玩味する必要があるが、まっとうでないのだから、本書を買ったり読んだりはしない。
かくて、本書は一向売れない──ということになります。
本書は実は、学生にとって最善の書物です。判りやすく問題点を指摘しており、各説を的確に紹介した上で、参考文献も指示してある。
国際政治の観点から日本の問題を考えようとする「学習者」「入門者」にとって、最善の手引きです。
普通の読者にとっては、知識を整理するのに役立ちます。この程度のことを知っていないと、国際問題を論じられないからです。
一つ、望蜀の事項を付け加えておきますと、「朝鮮人の浸透工作」について触れられていない。
アメリカは占領以来、日本の各界に浸透して日本人の頭を操作している。中国は毛沢東以来、属国化工作を続け、ほぼ成功している。その間にあって、朝鮮人の日本浸透工作が着実に進んでいた。挑戦総連の組織や建物が無償提供・無税で推移してきたのは、この浸透工作の成果です。拉致問題が「上から」問題にしないよう圧力をかけられたのも、この浸透工作の成果です。
「悪いことをする」日本人の中に、帰化した朝鮮人が尠からずいます。
今、地方で在日朝鮮人に選挙資格を与えようとする工作が進行しているのも、朝鮮人の浸透工作の一つです。
自由民主国は、「敵の手先の浸透」に曝されます。
これに無防備どころか、積極的に協力してきたのが、戦後の日本です。
この問題に目覚めるためだけにも、本書は必読文献です。
(平成20.2.5記)